友だちはいないから、ノートに猫の絵をかく

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ほとんど常に三人称視点しか持ち合わせていない僕は,やっとヒトの顔にぽっかりと空いたふたつの穴,その中のグロテスクな球体に焦点を合わせる事にかろうじて成功したばかりで,言葉は、いつも眼前に突きつけられた台本が語るのである。ふと気づくと、障子の隙間から覗いている、その対象はまぎれも無く僕。しばらく目を閉じてから瞼をひらくと、そのたびに必ず思うのだ。あれ?現実ってこんな感じだっけ?そして、その覗き手こそが僕の一人称なのかと問われれば,やはりわからない。
それにしても、世界中にゆらゆらしている途方も無い数の「人」が自分と同じように意識を持った「我」であることを想像する度に目眩、震え、冷え性。


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