ぼくが尊敬してやまない画家、漫画家、アニメーション作家である近藤聡乃さんの個展に行ってきた。
内容は、新作アニメーション「KiyaKiya」の上映と、ドローイング、油彩、スケッチの展示。
アニメーションは、かわいくて、怖くて、やさしくて、寂しくて、暖かかった。
誰かに膝枕してもらっているような、幸せな気持ちでスクリーンに釘付けになり、何度も繰り返し見続けた。
独り(音楽はジョン・ゾーン氏)であれだけのものを創り上げるのは、どんなに果てしない作業だっただろう、と、会場を出てから思った。観ている間はそんなことを少しも想像せず、ただただ見入るばかりだった。
もうひとつの部屋で展示されていた静画は、どれも切ないような寂しいような、不思議な気持ちになるものばかりだった。なぜかわからないが、心臓と胃袋の間あたりを鷲掴みにされるような気持ちになった。
ここ最近の僕は心身ともに調子が悪く、比較的沈んだ気持ちで過ごしていたのだけれど、今、なんだかものすごく軽く、幸せな気分。
決して人を励ましたり、元気づけたりするタイプの作品じゃないと思う。しかし、だからこそこんな気持ちになれる。
見る人をこんな気持ちにさせるものをぼくもつくりたい、と心から思った。
漫画や作品集、もってなかったものをひたすら購入。
帰宅後、コーヒーを飲みながらKiyaKiyaのスケッチ原画集を眺め、幸せに浸る。
MIZUMA ART GALLERY : 近藤聡乃 展 「KiyaKiya」
きっと、観る人を選ぶ作品なのだと思う.
我々が作品を選ぶのではなく、近藤聡乃さんの作品が観る人を選んでいるのだと。